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ボクがブランディングから運営まで関わっている、オーガニック茶畑のオーナー制度「UMEZUKI梅月」が2011グッドデザイン賞を受賞しました。
本オーナー制度は東日本大震災以前から行っておりますが、今回、日本の農業がこの様なカタチでクローズアップされる事になり、豊かさや幸せについても私たちは今まで築きあげてきた 価値観を見直す機会になりました。そういう意味で今回の受賞はハプニングであり、チャンスであったと捉えています。
一度は挫折したものの、なぜ巽さんはブランド化してお茶を売りたいのか、なぜ農協ではダメなのか。色々話を進めていくと1つの道が見えてきました。「モノの作り手として消費者とダイレクトつながりたい」。
パッケージングしたお茶を数十種類売るのでは前と同じ失敗を繰り返すのではないか。もっと別の切り口はないだろうか。話を進めていく中で閃いたアイデアが「茶畑のオーナー制度」です。
「モノを売る」のではなく、茶畑を軸にした「農家との関係と体験」にシフトしたのです。
パッケージングされた商品はメーカーをはじめ誰でも歌うことができますが、茶畑を歌えるのは「土にまみれた作り手である農家だけ」です。
この時ボクはあえてパッケージングされた商品という舞台には上がりませんでした。
ボクがデザインに対する眼差しは、「物語」そのものです。また、グッドデザイン賞は、「くらしを、社会を、豊かにしうるのか」という視点で評価されます。見た目を判断するだけではなく、「本質のデザイン」と言う意味で今回受賞出来た事は大変光栄に思います。審査委員の皆様方、この場をお借りしてお礼申し上げます。
CLIENT
タツミ茶園 × hiculture
DATE
2011
CREDIT
ブランディングデザイン
グラフィックデザイン
プリントデザイン
カメラ撮影
By Shiro Yamanaka